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Youtube DL Video Playerアセットを使ったUnityアプリをOculus Quest 2で動作させる

ここ2か月ほどかけて、Youtube DL Video Player というUnity Asset Storeで公開されているAssetを試していた。これは内部に aarファイルの形式で、PythonバイナリとPythonで書かれたyoutube-dlを動作させ、Youtubeのコンテンツの実際のURLを引っ張り出して再生できるようにするもので、これをChannel Playerに組み込むか、あるいは単体アプリとしてYoutubeの動画再生機能をOculus Quest2で動作させるのが目的であった。(ちなみにUnity Asset Storeでは、Youtube Video Player + Youtube APIというAssetも存在し以前使ったこともあるが、古い昔のバージョンとは異なり、近年のバージョンではherokuapp.comを内部で呼んでいてアーキテクチャが理解できていないので保留している)

当初、サンプルアプリを作って、Oculus Goでも動くようにとARMv7向けにbuildしたら、Goで動くことが確認出来た。しかし、これをそのままQuest 2にインストールしても動かず、またARM64向けにbuildしても同様で動作せず、そこからが迷走の始まりであった。

まずエラーメッセージを見ると、ARMv7版とARM64版ではどちらも同じエラーであり、以下のようなものであった。

10-19 00:13:01.571: E/YoutubeDLPlugin(31518): java.io.IOException: Cannot run program “/data/user/0/com.Applet_LLC.myTube/files/youtubedl-android/packages/usr/bin/python”: error=13, Permission denied

Youbue DL Video PlayerのAsset Storeのレビューでは、IL2CPPではbuildできないとか、Android 10ではダメだとかしか書かれておらず、要するにARM64なOculus Quest 2では出来そうにないことが書かれていて断念していたのだが、実行できないのは、このaarプラグイン形式がダメなのだろうと思い、Youtube DL Video Playerアセットを使うのをやめて、NuGetから、NYoutubeDLというyoutube-dlをC#から呼び出すラッパーを試してみた。結論はOculus Riftでは動作できるようにできるが、このラッパーは、youtube-dl.exeを実行するものであるので、解決策からは、ほど遠いものであった。

Pythonが実行できないとダメだと思い、調べてみるとTermuxというアプリで、shellを起動しpythonを実行して、youtube-dlスクリプトを動作させることが出来ることが判った。しかしこれは、Linux Shellが使えるようになるだけで、UnityのC#から呼び出すことはできない。そこで、今度はIronPython for Unityとpython-for-androidを試すことにした。これらは、pythonスクリプトを実行できるが、前者はUnity Editor環境でPythonスクリプトが使えるようにするもので、アプリには出来ない。後者は、もっと調べてみると、Buildozerというpython-for-android を組み込んで書かれたPythonスクリプトを、kivyと呼ばれるGUIを持ったPythonスクリプトをAndroidで動作できるようにAPKファイルを作るものがあったので、それをWSLのUbuntu環境でbuildして、APKを作ることが出来るようになった。ここでBuildozerで、kivy GUIを使わないコードにすればGUIを持たず良いのではと思い、youtube-dlの派生版である yt-dlpを inportするようにしてAPKを作成した。Buildozerは良く出来ていて、Pythonスクリプトや buildozer.spcに yt-dlpのキーワードを書くだけで、勝手にyt-dlpをgetしてbuildしてしまう。このAPKをインストールして、Unityで作ったサンプルアプリから、Intentにyt-dlpの引数を渡して、Pythonスクリプトでは、Intentをyt-dlpの引数に渡すようにして、yt-dlpが実行した際の標準出力をファイル出力させれば、UnityのVideoPlayerやAVPro VideoのPlayerが解釈できるURLを吐き出すことが出来るはず。その後、Unity側から、そのファイルを読み込んで、Playerに渡せば、どうにか動くようにできるのではと作っていたが、Unityから引数が渡せて、Pythonとyt-dlpが動作するようになった時点で、困った事態が発生していることが判った。それは、Unity側のアプリから呼び出したyt-dlpのActivityは、要するに別アプリなので画面が遷移してブラックアウトしてしまう。これではアプリとして成立せずダメだと思いAndroidのサービスプログラムにしなければと、さらなる深みに入ろうとしていた。これが先週末あたりの出来事である。

ここで、迷ったら最初に戻るよろしく、最初のエラーメッセージから解決策が他にないのかを探ることにした。まず、なぜ先のエラーメッセージになっているのかを調べることにした。

そもそもエラーメッセージは、実行権限が無いと言っているだけで、実行ファイルでは無いとかファイルが存在しないと言っているわけでは無い。そこでこのエラーメッセージで検索して調べてみると以下の情報が得られた。

What path to put executable to run on Android 29? – Stack Overflow https://stackoverflow.com/questions/64786837/what-path-to-put-executable-to-run-on-android-29/64792194#64792194

これは、Androidのlevelが29以降だと、アプリのフォルダに置かれたバイナリを実行することが出来ないというものであり、これに該当していたことになる。Google Playとは異なり、Oculus Quest 2の場合は、TargetSDK level は29以上である必要は無いので(25以上であれば良い。ただしAppLabに登録するなら29となります。)、TargetSDKを下げてやれば、実はQuest 2でも先の Youtube DL Video Playerをそのまま使って動作できるのではと考え、実行に移してみた。

Unityの場合、TargetSDKは、Plugin/Androidに置いた AndroidManifest.xmlにも記載場所があるが、実際にbuildする際は、UnityのPlayerSettingsのTargetAPI Levelの指定が有効となる。ここをAutoにしていると環境に依存し、使えるAndroid SDKの一番高いレベルのものでbuildしてしまう。そこで、ここを28にして、ARM64向けにbuildしたら、エラーメッセージは発生せず、無事にYoutubeのコンテンツがサンプルアプリでOculus Quest 2の中で再生できた。

入手したスキル。Ubuntu環境にてBuildozerでAPKの作り方。Pythonスクリプトの書き方(触りだけだけど)。UnityのC#コードから他のAndroid Activityを呼び出しIntentを渡す方法。Pythonスクリプト側で受け取ったIntentを引数として解釈する方法、Pythonでstdin/stdoutをファイル出力に変える方法と、intentをsplitしてsys.argに代入すると、そこから呼び出したPythonスクリプトは、引数が存在していることを想定しているので、うまく渡る。

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